Facebookの公開範囲「友達の友達」
Facebookでは自分の投稿の公開範囲を自由に設定することができます。
- 公開:誰でも、Facebookにアカウントがなくても投稿を読むことができます。
- 友達のみ、カスタム:相手を限定して投稿を公開したいときに選びます。
そしてもうひとつ「友達の友達」というステータスがあります。投稿をオープンにしたければ「公開」、相手を限定したければ「友達のみ」や「カスタム」を選べばいいではないですか。なぜ「友達の友達」という中途半端なステータスがあるのかずっと不思議に思っていました。
social habit:社会的な習性
あなたは企業の経営者であると仮定します。日頃親しくしているAさんから「仕事を探している」と聞いたらなんと答えますか?
- Aさんを採用すべきか否かは比較的簡単に結論が出るでしょう。
- 求人広告を見て連絡をくれたBさん。あなたとBさんは面識がありません。Bさんを採用すべきか否かは面接をしてみないと判断できません。
- Aさんから紹介されたCさん。あなたとCさんは面識がありません。
BさんもCさんも面識がない点では同じです。この時点であなたはBさんとCさんそれぞれに同じ印象を持ちますか?
weak-tie:ゆるやかなつながり
あなたはCさんがどんな人なのかを知りません。あなたとAさんの関係が良好ならどちらかといえばCさんに対して好意的に考える可能性が高いです。
- Cさんは社会人としての常識を持っているだろう。
- Cさんはおそらくうちの会社に適しているだろう。
あなたとCさんのような関係を「weak-tie(ゆるやかなつながり)」と呼びます。
人の社会的な習性として、実際には知らない人なのに「ゆるやかなつながりがある人」に対しては「親しい人」と同じくらい「親しさ」や「信頼感」を感じる傾向があるそうです。
Our weak-tie acquaintances are often as influential – if not more – than our close-tie friends. (p224)
そして人は「親しい人」よりも「ゆるやかなつながりがある人」からの影響を受けやすい。「親しい人」から得られる情報は限られている。でも「ゆるやかなつながりがある人」の数は圧倒的に多くてそのバックグラウンドも様々。だから「緩やかなつながりのある人」から得られる情報の方が多いんですって。
改めて、「友達の友達」の意味
以上のことから「情報の収集と拡散」という観点でFacebookを考えると「友達の友達」ステータスの存在意義がわかるような気がします。
情報を広めるためには企業が直接宣伝するよりも「ゆるやかなつながりの人」を利用したほうが拡散効果は高くなります。受け取る側も「なんとなく知ってる人」からの情報であればなんとなく受け入れます。
Facebookの仕組みをチャンスと考えるか利用されたくないと考えるかは人それぞれ。あなたはどちらでしょうか。