知らないことの方が多いという事実
会社と会社の交渉や団体と個人間の交渉を考えてみます。相手側の方針や死守したい利益などは交渉前にはわからないことが多いと思います。交渉相手が顔見知りという場合もあるでしょう。顔見知りだとしても相手の性格や人間性まで知らないかもしれません。
「よく知らない相手」と交渉するときは双方の主張を丁寧に確認しあい、誤解がないように気を配ることが必須です。わざわざ言われなくてもたぶん誰もがそのように行動すると思います。
一方、家族や親族間での交渉や隣家の人との交渉だったらどうなのか。「相手のことをよーく知っているつもり」であるほど誤解は生じやすいのです。「あいつの本音はきっと○○だ」などど本人が明らかにしていないことを勝手に想像し、交渉を進めると落とし穴にはまるかもしれません。
Communication is never an easy thing, even between people who have an enormous background of shared values and experience. Couples who have lived with each other for thirty years still have misunderstandings every day. (p35)
同じ環境で過ごし互いに価値観や経験をシェアしてきたとしても、30年間以上夫婦として連れ添った仲であっても、実際は毎日のように(ちょっとしたことかもしれませんが)お互いのことを誤解してるかもしれません。
「暗黙の了解」や「ツーカーの仲」という言葉がありますが、交渉においては注意すべき状況です。お互いの認識にずれがないか、確認しあうことに心を砕くべきなのです。
誤解が生じないようにするべき4つのこと
- Listen actively and acknowledge what is being said. (p35)
- Speak to be understood. (p36)
- Speak about yourself, not about them. (p36)
- Speak for a purpose. (p37)
- 相手の言うことに積極的に耳を傾けて
- 相手が理解しやすいような話し方を心がけ
- 相手の非難でなく自分の要望をや状況を話す(交渉術なので)
- そして発言の目的をはっきり伝える
コミュニケーションの大原則です。あたりまえといえばあたりまえですね。オフィシャル・プライベートにかかわらず、相手と親しいか親しくないかにかかわらず、お互いを理解するために必要な姿勢です。