THE POWER OF HABIT
– Why We Do What We Do In Life And Business –
著者
Charles Duhigg
現在はニューヨークタイムズ紙のレポーターでピューリッツァー賞受賞者。下記メッセージは著者サイトより引用。
Changing habits isn’t necessarily quick or easy. But it is possible. And now we know how.
概要
新 しい習慣を身に付けたい。そろそろこの習慣を止めたい。そんなこんなは誰にであると思うのですが、そもそもひとつの行動が「習慣」になるのはどんなメカニ ズム(?)によるものなのか。それについて真面目に取り上げた本なり記事なりを読んだことがないので手に取ってみました。
邦訳では「習慣の力」(また「力=Power」だった!)というタイトルで出版されています。表紙はこれまた原書と全然違い文字だけイラストなし。同じ本でもまったく印象が異なりますね。各国の翻訳版で装丁の違いを調べてみるのも面白そうです。
本を読んで始めたい・変えたい習慣
読後に「こうすればうまくいく」とか「こういうことに注意したほうがいい」などがまとめられるといいなと期待しています。
始めたいこと
- 早起きと早寝
- 1日1時間歩く ← 概ね実行できているので継続したい
- 植物の水やりを忘れない ← 今は冬ということもあって忘れがち
変えたいこと
- メールチェックを1日2回程度にしたい ← 受信するとスマホが鳴るのでついその場で見る ← それまでやっていたことが中断してしまう
目次
- THE HABIT LOOP
- THE CRAVING BRAIN
- THE GOLDEN RULE OF HABIT CHANGE
- KEYSTONE HABITS, OR THE BALLAD OF PAUL O’NEILL
- STARBUCKS AND THE HABIT OF SUCCESS
- THE POWER OF A CRISIS
- HOW TO TARGET KNOWS WHAT YOU WANT BEFORE YOU DO
- SADDLEBACK CHURCH AND THE MONTGOMERY BUS BOYCOTT
- THE NEUROLOGY OF FREE WILL
1~3まではIndividuals、4~7はOrganizations、8と9はSocietiesと大きく3つのカテゴリにわかれています。
行動と思考
行動中は常に何かを考えている、つまり頭が働いているものと思っていました。ところがそうとは限らないようです。
歯を磨くとき、たいていの人は無意識に歯ブラシと歯磨き粉を手に取ります。そして歯ブラシに歯磨き粉をつけます。
子供のときは歯ブラシに歯磨き粉をつけるのに適量がわからず困ったかもしれません。ぼたっと落とさないように気をつけたのかもしれません。でも今は何も考えなくても歯を磨けていますよね。習慣になったからです。
クルマを買い替えたばかりの時は車庫入れのときに周囲にあるものとの距離を十分すぎるほど観察したり、左折するときに後ろのタイヤを意識してみたりします(クルマ乗り換えてすぐ縁石でホイール擦ったのよ)。
やがてそんなことは意識せずに運転するようなります。これも習慣になったからです。
Cue → Routine → Reward
- Cue : トリガー。きっかけ。ここでは「待ち行列」の意味ではありません。
- Routine : 手順、所作、動作
- Reward : 報酬
3つの要素を順番に何度も何度も繰り返すとやがてその行動は習慣となるそうです。これを「The Habit Loop」と呼びます。(p19)
Rewardは必ずしも良いこと(喜ぶべきこと)とは限らないので「報酬」というより「報い」という言葉の方が著書の言う意味に近いです。例えばテレビにあまり好きじゃないタレントが出てくると「イラっとする」みたいなのもRewardです。
Rewardはモノとは限らず「嬉しい」「リフレッシュできた」「悲しい」といった感情も含まれます。新しい習慣を身につけたいときはこの3点セットの繰り返しがとても有効です。
きっかけや報酬は大切
However, even these habits are delicate. When a fast food restaurant close down, the families that previously ate there will often start having dinner at home, rather than seek out an alternative location. (p27)
とはいえ「習慣」はちょっとしたことで失われることもあります。近所のファストフードに足しげく通っていたとしても、そのお店が閉店してしまったらわざわざ同じチェーンの他の店ヘは通わない人が多いそうです。
この場合はきっかけ(cue)がなくなったと考えます。だから
By learning to observe the cues and rewards, though, we can change the routines. (p27)
きっかけや報酬を見直すことで行動は変えられるのです。