brain rules
– 12 Principles for Surviving and Thriving at Work, Home, and School
著者
John Medina
分子発生生物学者として、人間の脳の発達や精神障害の遺伝学的研究を専門とし、研究コンサルタントとしてバイオテクノロジー産業や製薬産業でメンタルヘルスの研究に従事する。- Amazon著者紹介より
概要
先日脳についての記事をアップしたように最近私の中で『脳』がブームです。本書は科学的な理論にもとづく説明と、「こうすればもっと効率的・効果的に仕事や勉強ができるよ」という具体的なアイディアから構成されています。
原書
邦訳本
目次
- Introduction
- Exercise
- Sleep
- Stress
- Wiring
- Attention
- Memory
- Sensory integration
- Vision
- Music
- Gender
- Exploration
人間が生きるために必要な3つの要素
- 食べ物
- 水
- 酸素
健康な人の場合、30日食べなくても生きられます。1週間水を飲まなくても生きられます。健康じゃなくなっちゃいそうだけど。
でもたった5分間呼吸ができないだけで人間の脳は深刻なダメージを受けるのです。
酸素のはたらき
食べたものが消化されると最終的に電子がたくさん生まれます。過程をかなり端折ってますが。電子は体にとっては有毒で、ほおっておくと体内は毒でいっぱいになってしまいます。
私たちの体が毒まみれにならず生きていられるのは酸素のおかげ。肺から取り入れた酸素が血管を通って体内の有毒な電子を回収し、(oxgen spongeというらしい)また血管を通って肺に戻ったところで有毒電子は二酸化炭素として体外に排出される。これが呼吸です。
ということは、体のすみずみまで血液が流れていれば老廃物(有毒物)がすみやかに排出できるので体はより良い状態を保てます。呼吸ができなくなったり血管が詰まったりすると生命が危機的状態になるのは、有毒物が体内にたまってしまうからなのです。
体のすみずみまで血液が流れるようにするには
→血流を増やすとともに毛細血管も増えたらうれしい
→エクササイズをすることによって血行がよくなり毛細血管は増える
ということのようです。血行が良くなるのは実感できますが血管が増えてるなんて知らなかった。
さらにエクササイズで増えるのは体の毛細血管だけではない。脳の毛細血管も同じように増えるんだそうです。
As the flow improves, the body makes new blood vessels, which penetrate deeper and deeper into the tissues of the body. (p30)
脳の血行がよい人は実年齢に関係ない若々しさを持っているそうです。何かをしたい、しようという意思の力が湧いてくるんですって。登山の三浦雄一郎さんとか、ああいう方のイメージです。
どんなエクササイズが効果的なのか
年齢に関係なく、子供でもシニアでも誰にでも1カ月程度で効果が実感できるとのこと。子供の場合はテストの成績が良くなったという研究結果が載っています。
週に2~3日、30分程度の有酸素運動をしよう
軽いランニングやエアロバイク、もちろんウォーキングでもよさそうです。息が上がるか上がらないか程度のスピードでいいと思います。天気がよければ犬の散歩は40分ほど、距離にして2-3kmくらい。私の息は全然上がらないですがウォーキングといってもいいでしょう。
『健康のために運動を』は足腰を鍛えるとか、筋肉を鍛えるためと思ってました。脳のためにも運動が必要だなんて。
今日のまとめ
Our brains were built for walking – 12 miles a day ! (p35)
1日に20km歩く – ように人間の脳は作られているそうです。昔々人類が狩りをしていた頃の、過酷な暮らしに耐えられるように脳や体はプログラムされている。月日が流れても人間という動物の本質はそんなに変わっていないから、動かないでいるといろんな方面に支障が出てくるのですね。