赤羽雄二『ゼロ秒思考』
『アイディア出し』のトレーニングに最適な本。まずタイトルを決め、そのタイトルにから思いついたことを一定時間にできるだけたくさん書き出します。
タイトルは仕事に関することでも日頃考えていることでもなんでも。
ぼんやり頭の中にあることを次々と書き出すことで自然と頭の中が整理されます。
ポイントは『考え込まない』『素早く』。
もやもやとした気持ちをその場で言葉にし、考えを深められるようになると、考えが進むだけではなく、どんどんスピードアップしていく。 … 生産性は数倍~数十倍上がる。
じっくり物事を考えることも大切ですが、時にはこんなふうに思考をパパッと切り替える考え方も新鮮です。
普段から企画や事業について考え抜いている人が突然の変化にすぐ対応できるのは、「ゼロ秒思考」が身についているからだともいえる。自然と先が読めてしまう。
『突然の変化に対応できる』という点では会話などのコミュニケーション力強化にも役立つんじゃないかと思います。
池澤夏樹『スティル・ライフ』
久しぶりの小説です。冒頭部分に出てくる「星の話だ。」という言葉が目に留まり、村上春樹の『羊をめぐる冒険』に出てくる「羊の話だ。」を思い出しました。『羊をめぐる冒険』と『1973年のピンボール』は学生時代に暗記するほど読んだのです。突然親近感を感じその後は一気に読み進みました。
80年代に書かれた小説なので株取引のくだりは今とシステムが違うなあと思って。当時の様子を自分が知っている程度の昔の話はいろいろと思い出すこともあり。
現実にありうる話なのか、全くのフィクションなのか。その中間にあるようなストーリーに引き込まれ最後まで楽しく読めました。
森 博嗣『作家の収支』
書店に行くとものすごい数の本が並んでいてどう頑張っても一生のうちに全部は読めないと途方に暮れることがあります。自分が手に取る本は出版されているうちのほんのわずかだなあと。
売れている作家さんもいれば実はそうでもない作家さんもいます。彼らはどうやって生計を立てているのだろう?という疑問に答えてくれるのがこちらの本です。
出版界のいろんな話が載っていて初めて知ることばかり。ああなるほど。電子書籍の分野では素人であってもコストをかけず自費出版ができます。売れるかどうか、読者に見つけてもらえるかどうかは人それぞれですが、『出版』の形はこれからも変化し続けるから収入を得る手段もどんどん変わっていくのでしょう。
そういえばこの方の小説は手に取ったことがありません。この本から受ける印象では小説の方も気に入りそうな感じがしたので近いうちに一冊読もうと思います。