たっく『必要十分生活』
昨年の引っ越し前後から『ミニマリスト』という考え方・行動様式に興味を持つようになりいくつかの本やブログに目を通した流れで購入した一冊。スマートサイジングもその中で手に取った本でした。
この本で提案されていることはとても合理的でシステマティック。著者が「実例集と思って読んでください」というとおり、押しつけがましい感じがありません。そして『ミニマリスト』が語られるとき若干感じるスピリチュアルな匂いが全然しなくて安心して読めます。
ルールの大切さ
私の生活空間は最近5年間でかなり変わりました。各論は本文の中に書いてありますが、ひとことで言うと、心地よいルールのもと、ある状態に収束する生活になっています。
「なんとなくこう決めている」とルールは違います。曖昧な決まり事は、その瞬間から沢山のものが漏れていって、いつしか巨大な山になります。
ものを所有するルール。保管するルール。
ものが多すぎる悩みとかいつも散らかっている状態を改善するためにはとにかくルールを決めるといいよ、というか決めないと問題は解決に向かいません。そしていったん決めたルールは不変のものではなく、自分が置かれている状況に合わせて随時変更していくとよいそうです。
必要だから
私は移動の時に机の上のものすべてを持って移動することに決めています。そのため、私が帰った後は机の上にはいつも何もなく、どこに行っても同じ環境が整います。
職場に行くとリュックの中身を傘以外全部出します。必要だからです。
『必要だからです。』という言葉がささりました。通勤時に何を持ち歩くかという話なのですが、家に置いてあるものだって『必要だからです』とは言い切れないものが結構あるのでは。胸に手を当てて考えたくなります。
わりと短いスパンで引っ越しをしているため、持ち物が多くて自分の手に余るという感覚は今のところはないのですが、この本を読んで私は『元の位置にしまう』が苦手なんだと気づきました。しまうべき場所がルール化しきれてないことと、いくつもの作業を並行して行うことが多く『すぐ後で使うから』とそのままにして他のことに取り掛かってしまうのが原因です。
自分の行動パターンを改善したり否定するのではなくて、行動パターンにふさわしいルールを作れば解決できそうだと希望が持てます。先に行動パターンの改善に取り組んでしまうとなかなか片づけを始められませんから。
自分自身の解決すべき問題と問題解決のための方向性がはっきりと見えました。読んでよかったです。
岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿』
京都の珈琲店を舞台に女性バリスタが活躍する軽いミステリー。
ストーリーは楽しくすいすいと読めます。実在する通りの名前やお店などが登場するので京都に詳しい人なら想像がふくらんでより楽しめるのではないでしょうか。
ときおり描写が細かすぎて結局何を指しているのかよくわからないところがありましたが、この作品は作家さんのデビュー作ということで、そのあたりは今後に期待したいと思います。続編が5まで出てるのかな。順調に執筆が進んでるようです。
『こういう結論だったらいいな』と思いながら読んでいて、最終的にはほぼ期待通りの方向に話が進んでいったので読後感は十分満足です。それとも読者の期待を良い意味で裏切った結末のほうが良い作品なのかな。それは読者の好みによるのかな。
読み終えた後喫茶店ブームが来た
舞台となっている『珈琲店』は想像するに『カフェ』でなく『喫茶店』のイメージ。うちの近所にも古くからの喫茶店がまだまだたくさんあるので最近は喫茶店を選んでコーヒー&読書がマイブームです。
そして喫茶店といえば『ホットケーキ』なのです。お店で頼んだり自分で作ったり。本を読み終わってからホットケーキを食べる機会が大幅に増えました。ホットケーキってパンケーキとはまた別の、独特の幸せ感がありませんか。