MADE to STICK – 5 シンプルにするためのスキーマという考え方

Chapter 1: SIMPLE

– The Pomelo Schema

Simpleの章、最後です。Schemaのおはなし。 (p53)

初めて聞く「ポメロ」という言葉。

説明1

  • 大きい柑橘系の果物
  • 皮は厚いが柔らかく手で剥くことができる
  • 果肉は薄い黄色やピンクで瑞々しい
  • 酸味が強くピリピリする

説明2

  • グレープフルーツを大きくしたような感じ
  • 皮はかなり厚く柔らかい

ふたつの説明のどちらがSTICKか?

ポメロという果物のことを知らなくても「グレープフルーツのような」と言われると何となく想像ができますね。初めて目にする・耳にするものに出会った時、理解を助けるために既に知っているものと比較してみるという方法があります。

“Grapefruit” is a schema that you already have. (p54)

 

schemaという言葉が出てきます。日本語にすると概要・概略・枠組みといった意味です。コンピュータの世界ではお馴染みの言葉ですが心理学の分野でもよく使われるようです。

グレープフルーツについて一般的に知られていることをまとめたものをここでは”grapefruit schema”と呼んでいますがそれは例えば

  • ソフトボールくらいの大きさ
  • 柑橘類
  • 果肉は黄色いものやピンク色のものがある
  • 皮を剥いて食べる
  • やや苦みがある

といったこと。ポメロを説明するときに「グレープフルーツのような」と言えば上に挙げたことはおおよそあてはまるのだと想像することができます。その後でグレープフルーツと異なる部分(グレープフルーツよりかなり大きい・皮は柔らかく手で剥くことができる)を付け加えればかなり正解に近づくことができますね。

新製品を発表する際、これまで誰も見たことがないようなものであっても schema を使って説明すれば新製品を理解してもらうことが容易になります。

Good teachers intuitively use lot of schemes. (p55)

 

ちなみに「ポメロ」は日本語で「文旦」。なーんだ。

つづく。