真柏は手持ちの盆栽の中で一番の古株です。この春は植え替えをせず、思うところがあって針金もかけていないため、特に何もすることがなくお水と肥料をあげるだけの日々を過ごしていたら。
真柏さんから「ケヤキばかりかまってないでたまにはお手入れしてよっ」とメッセージが聞こえてきたので、本格的な夏を迎える前に少しお手入れをしました。
before
春先から全体がまんべんなく伸びたようでもっさりしています。内側に枯葉がたくさんあり、さわるとぽろぽろ落ちてきます。真柏は常緑樹で不定期に葉を落とします。この子の樹高はおよそ20cm。
after
枯葉と枯れ枝を落とし、杉葉を除いてほぼ全ての枝先を摘んで一回り小さくしました。写真で見るともう少し手を入れたほうがよさそうですね。形を整えるときにどこをどうしたらいいか迷ったら、写真を撮って客観的な視線で眺めると、「ここに手を入れたほうが良い」といった箇所が一目瞭然です。
葉の付き方を無視して枝先を摘むと枝ごと枯れてしまうことがあるので、それぞれの枝ごとに短くしても大丈夫かな? ここは残した方が安全かな? と考えながらの作業です。とても時間がかかります。
今年の盆栽まつりで盆栽園の職人の方がお手入れをしているところを見せていただきました。作業がものすごくスピーディーなことにびっくり。手の動きは素早いし、手が入ったところは見違えるように形が整います。完成形がはっきり見えていてその通りに手を動かしているんだろうと思います。私みたいに考え考え作業していたら時間がかかりすぎて商売になりません。
2012年10月の姿
この年の2月に植えつけたというメモを発見。4年でだいぶ盆栽らしく成長しました。木の形も変ですが、植えつけ方もおかしなことになっていて、初心者の作品見本のようで微笑ましく思います。