読書メモ【いつもの献立がごちそうになる!新・家めしスタイル】

こちらの本はレシピ集ではなくてアイディア集といってもいいでしょう。家にある材料ですぐ出来そうな、おいしそうな写真がたくさん。

なぜアイディア集かというと、食材と使う調味料は書かれているけれど分量の記載が一切ないのです。「日常の料理はそのとき揃うものを使い、味付けはお好みで」というコンセプトに従っています。

1つの素材から7種の味

「今日の晩ご飯は何にしようかな」と考えるとき、カレーライスやハンバーグなどのレシピを最初に決めるのは間違い。レシピを先に決めちゃうと、「あれれ、玉ねぎがないから買ってこなきゃ」「しまった、カレールーを切らしてた…」などど足りない材料を買いに行かなきゃいけなくなってしまい、面倒です。

野菜が1種類しかなくても工夫次第でいろんな料理を作ることができるのです。そのときに大切なのは味付けのバリエーションを考えること。ここではなすとじゃがいもを例にして7つの味の料理が展開されています。

  1. 甘い(甘辛い)
  2. クリーム味:牛乳・生クリーム・チーズなど
  3. 味噌味
  4. 酸っぱい:酢・柑橘・トマトなど
  5. カレー味
  6. 醤油味
  7. 塩味

何品も作るときは同じ味のものが重ならないように心がけるとよいそうです。献立を考えるときの基本の柱は食材でなく味付けなのですね。ちなみに「和風や中華風などが混ざっていても違和感がない」とありますが、私はそういうスタイルのごはんが好きなので、「家めし」はいつもそんな感じです。

記載されている料理はメイン・添えのおかず・麺類から汁物まで幅広くカバーされています。ざっと見たところでは野菜料理が多い印象で、これは「肉料理は外で食べることが多いから家では野菜中心のごはんが食べたい」という著者のスタンスを表しているようです。

冷や汁

冷や汁っていうと「あじの干物を焼いてむしってすりこぎで潰して…」とか面倒なことが料理本に書いてある。でもそんな暑そうな面倒なことを真夏のお昼ご飯にしたくない。

そのとおり!
冷や汁を食べたいときというのは「ぱっと作ってささっと食べたい」状況だと思うのですが、実際にいろんなレシピを探してみると「ぱっと」作れそうなものはなかなか見つかりません。手をかけて作って数分で食べ終わるメニューの代表例なのでは?

この本に出てくる冷や汁はきゅうりとニラだけを使ったお手軽バージョン。どうしても魚が食べたければ別途焼き魚でもお刺身でも用意すればそれでいいのではないでしょうか。まだ作ってませんがこれはおいしそうです。

まとめ

家に肉や魚がなくても、にんじんしかなくても。「買い物に出かけずにあるもので料理をしようかな」そんな気分になります。レシピの分量にとらわれない「料理の愉しみかた」を教えてくれる、とても楽しい本でした。