MADE to STICK-9 具体的な話をしよう

Chapter 3: CONCRETE

The Path to Abstraction : The Blueprint and the Machine

チームで仕事をするときに「Abstraction(抽象的)」は効率が悪いのです。「CONCRETE」な指示はすぐに伝わるのに対してあいまい・抽象的な指示には何度も確認が必要になってきます。

工場には設計チームと組立チームがありますね。

the firm needed two sets of skill : engineers who could create brilliant designs, and skilled manufacturing people who could transform those designs into complex physical machines. (p114)

 

チーム同士のコミュニケーションは問題なく機能していると思っていても実際のところ両チームは普段違う言葉を使って仕事をしているといいます。

The engineers tended to think abstractly – they spent their day agonizing over drawings and blueprints. The manufacturing team, on the other hand, tended to think on a physical level – they spent their day building machines. (p114)

設計チームは業務上抽象的な概念を扱うことに慣れているので、組立チームに対して自分たちと同様抽象的な言葉で指示を出してしまいます。当然のように現場では混乱が生じます。組立チームは

Why don’t you just come down to the factory floor and show me where the part should go? (p115)

 

となってしまうわけですね。

あるとき様々な部署にいるキャリア年数が近いメンバーを対象としたグループワーク研修を受けました。社内で似たような業務をしているにもかかわらず、話が全然かみ合わないのです。何か問いかけても見当違いの答えが返ってくるし、相手もこちらの言うことに納得していないみたい。

そんなやりとりを続けながら「話がかみ合っていない」ことに皆が気づくのにほぼ1日かかってしまいました。部署が違えば仕事をしている状況が違うのでひとつのテーマに持つイメージも考えられるアクションも全く異なるのです。

当然と言えば当然ですが、このことに気付かずにいると「横断的に」とか「全社的に」といった活動に大いに支障が出てきます。The Blueprint and the Machine の部分を読みながら、自分の体験を思い出して大いに納得しました。本書の結論は下記のとおりです。

Rather, the moral of the story is to find a “universal language”, one that everyone speaks fluently. Inevitably, that universal language will be concrete. (p115)

 

つづく。