1995年といえば、自宅にパソコンを持っている人は少なく、職場でも一人一台まではいかなかったように思います。初めてパソコンを購入したのがだいたいその頃で「パソコンショップへ行く」というのに抵抗があって(当時は何となくマニアの人だけが通う雰囲気だったので)職場の先輩についてきてもらいました。ネットもメールもごく限られた人だけのものという時代でしたね。
そんな時期なので、公開当時はこの映画の怖さが実感としては理解できなかったんじゃないかなと思いました。ただ「得体の知れない恐ろしさ」だけが残るというか。
それからちょうど20年。日本でも一家に一台はパソコンがありそうでスマートフォンやタブレットを合わせると一人で2~3台持つのも珍しくなく、常にネットにつながっている状況になってます。するとこの映画の怖さが現実的になってきます。自分の存在を自分で証明できない恐ろしさ。社会のシステムが簡単に変えられてしまう恐怖。今だって誰かがやろうと思えば簡単に実現できてしまう話だと思います。
あまりサスペンス映画は見ないのですが(怖いのは苦手なので)ぐんぐんストーリーに引き込まれていきました。やっぱり現実に自分の身にも起こりそうな気がするからでしょうか。誰でも気軽にネットを利用している今、もう一度この映画を見るべきなんじゃないかと思いました。