MADE to STICK-10 統計を味方につけよう

Chapter 4: CREDIBLE

The Human-Scale Principle

Credible – 信頼できる、信用できる

統計の正しい扱い方

物事を客観的に説明する場合、統計は大きな役割を果たします。逆に自分に都合の良いように話を持っていきたいときは、統計を腹黒く利用すると効果的です(でもこれはよくない使い方)。 集計値のどの部分を切り取って見せるかによって印象は大きく変わります。

統計は変幻自在なもので面白い(entertainではなくinteresting)んだということをこちらの本から学びました。高校生の時かな、懐かしいです。当時は面白さがわかってなかったですけど。今回はそんな統計の取り扱いについて先に結論。

When it comes statistics, our best advice is to use them as input, not output. Use them to make up your mind on an issue. Don’t make up your mind and then go looking for the numbers to support yourself – that’s asking for temptation and trouble. (p147)

統計が先か持論が先か

“I scored sixteen points for the church basketball team tonight! ” (Not mentioned: twenty-two missed shots and the loss of the game. ) “I’m five feet six.” (Not mentioned: The three-inch heels.) (p147)

 

先に持論があって、それを裏付ける統計を探して引用する…というのは上で紹介した「統計でウソをつく方法」ですね。「信頼できる」主張をするために必要なのは逆パターン、何らかの集計結果から持論を導くというのが統計の正しい利用方法です。

 The Human-Scale Principle

漠然と数値を伝えるのではなくイメージしやすい表現に言い換えましょう。

企業で働く23,000人の従業員を対象とした調査結果(の一部)

いまいちな例
  • 組織の目標を理解している人:37%
  • 各自が属するチームや組織の掲げる目標に関心がある人:5人に1人
  • 各自の業務が組織の目標に直結していると認識している人:5人に1人
  • 各自が属する組織を信頼している人:20%

調査結果が正確だとしても抽象的でいまひとつピンときません。これをサッカーチームの11人の選手に置き換えてみます。

よい例
  • どちらのゴールにシュートすべきか認識している選手:4名
  • ゴールすることに関心がある選手:2名
  • 自分のポジションとそのポジションの役割を認識している選手:2名
  • 自チームのためにベストを尽くそうと考える選手:2名

企業における従業員の役割とサッカーチームにおける選手の役割は概ね同じようなものです。サッカーの試合で選手がこんな態度で試合をしたらどうでしょう。あまり面白くない試合になることは想像できますし、ファンに対してとても失礼なことです。

とすると企業にとってこの従業員の意識調査結果は大きな問題を示していることが明らかになってきます。数値(比率)は同じなのですが表現方法によって受けるイメージが全然違うものになりましたね。

つづく。