Chapter 5: EMOTIONAL
EMOTIONAL : 「何が人を動かす力となるのか」について。
人の心を動かすためには3つの方法があると著者は言います。(p199)
- using associations (or avoiding associations,as the case may be)
- appealing to self-interest
- appealing to identity
using associations というのはauthorityを利用する方法です。よく耳にする「1日に350gの野菜を採りましょう」というのは厚生労働省が推進している健康な食生活のための指針です。信頼できる組織や機関が勧めるなら試してみようというのは自然な心の動きですよね。
次のself-interestは「自分に関係(影響)があることなら取り入れてみよう」という心の動きを指しています。Facebookの広告を想像してみてください。「転職をお考えのあなたに…」というタイトルと「○○大卒のあなたに求人情報のご案内です…」というタイトルのどちらに目が留まりますか?(Facebookに卒業した大学を登録していると卒業した大学名が広告に表示されます)「アンチエイジングコスメのベストセラー」というタイトルと「○歳、肌のハリを実感する!」(○歳はもちろんあなたの年齢が入ります)というタイトルどちらをクリックしそうでしょうか?
Appealing to Self-Interest (p177)
人の心を掴むためにはself-interestを忘れてはいけないという実例が紹介されています。
…companies often emphasize features when they should be emphasizing benefits. “The most frequent reason for unsuccessful advertising is advertisers who are full of their own accomplishments (the world’s best seed!) that they forget to tell us why we should buy (the world’s best lawn!).” (P179)
企業は自社製品のメリットを強調した広告を作りがちですが、これではなかなか買ってもらえません。優れた芝生の種(西洋芝は種から育てるのです)を売ろうとするとき、その芝の優れている点(乾燥に強い・密に生える・成長が早いetc)を強調してもあまり意味がありません。それよりも「その種をまいたらあなたの庭はこんなに素敵に!こんなに手入れが楽!」というような購入者のメリットを強調してself-interestに働きかけると購買意欲が高まるのです。
“Don’t say, ‘People will enjoy a sense of security when they use Goodyear Tires.’ Say, ‘You enjoy a sense of security when you use Goodyear Tires.'” (p180)
違いがわかりますか?「People」ではなく「You」です。「あなた」と呼びかけることによって「あなたにメリットがあるんですよ」と伝えることができます。言われた方の心理状態は…想像できますよね。
マーケティングの本を読むと広告に関して同じようなことが書かれているのに気づきます。実際には「企業(売り手)目線の広告」が多いけれど効果があるのはやはり「読者(買い手)目線の広告」のようです。身の回りにある広告がどちらに当たるのか考えてみると楽しそうですね。