MADE to STICK-13 意思決定のプロセス

Chapter 5: EMOTIONAL

EMOTIONAL : 「何が人を動かす力となるのか」まとめです。

意思決定をする際のプロセスには二通りあります。

The first model involves calculating consequences. (p190)

こちらは意思決定の基本形です。自己の欲求を満たすモノや合理的な方法を選択するやり方です。

  • どちらのソファに値段に見合う快適さとカッコよさがあるか
  • どちらの政党が自分の経済的・社会的な利益をもたらしてくれるか

これはself-interestに基づく決定方法ですね。

The second model …based on identity. (p190)

もうひとつは自己のアイデンティティに基づいて意思決定するやり方です。ここでのアイデンティティとは「What would someone like me do ? – 自分と同じような人はどのような選択をするか」ということのようです。

  • 自分と同じような人物(南東部の会計士)はどちらのソファを買うだろうか
  • ハリウッドの仏教信者はどちらの政党を支持するだろうか

自己の利益優先ではなく一般的な選択肢や主義を選ぶというやり方ですね。消防隊員の話はこちらに相当します。

消防隊員に何といえば良かったのか?

self-interestとidentity、どちらの基準に基づいて判断するかでポップコーンメーカーの価値が変わります。

「家族のためにポップコーンメーカーをプレゼントする」と言われた消防隊員は激怒します。それは「消防隊員」というオフィシャルの立場に対してプライベートへのギフトを受け取ることは道徳的でないと考えたからです。

一方「教育ビデオの監修を引き受けてくれるかどうかに関わらずポップコーンメーカーをプレゼントする」と言われたら?この場合は「立場」と「プレゼント」には関連がなくなりプレゼントを受け取るかどうかは単純にそのプレゼントに興味があるかどうかという点に左右されます。

それではEMOTIONALのまとめです。

We show how our ideas are associated with things that people already care about. We appeal to their self-interest, but we also appeal to their identities – not only to the people they are right now but also to the people they would like to be. (p203)

 

人の心を掴むためにはself-interest とidentityのどちらにアプローチすればより効果的なのか、よくよく検討してみる必要があります。

つづく。