THE POWER OF HABIT-4 たくさんの習慣を変えたいときはkeystone habitから始めよう

今日は「組織におけるhabitとhabit change」について見ていきます。

従業員の「安全第一」を徹底すると組織の風通しが良くなる

この言葉、聞いただけでは意味がわかりません。風が吹けば桶屋が儲かる的な感じです。the Aluminum Company of America (Alcoa、アルコア、日本にも拠点があります)の新しいトップ(Paul O’neil氏)が就任挨拶で「事故を0にする」という目標をトッププライオリティとして掲げます。「事故を0にする」ことの狙いは何でしょう。

I knew I had to transform Alcoa. But you can’t order people to change. That’s not how the brain works. So I decided I was going start by focusing on one thing. (p100)

keystone habit

habit changeにおいて「focusing on one thing」はとても重要です。最優先で取り組むべき行動を選択し、まずその行動を習慣となるよう努力します。

最優先に取り組んだ行動のことを「keystone habit」と呼びます。keystone habitが確実に機能するようになると、続く第2、第3の取り組むべき課題に対して自然と行動できるようになるんですって。

「事故を0にする」ためのhabit loop(p106)

  • cue : 作業中の事故が発生する
  • routine : 事故が発生したら部門のトップは24時間以内に事故の報告とともに改善・予防策をCEOへ報告する
  • reward : この報告システムを忠実に遂行する者には昇進の機会が与えられる

大企業の部門トップ(部長とか事業部長のイメージ)は忙しい(大企業でなくてもみな忙しいでしょう)ので部門内のコミュニケーションがスムーズでないととてもじゃないけど24時間以内に報告するなんて無理です。

システムが軌道に乗り出す(業務改善)につれて社内全体の風通しが良くなりました。事故の報告だけでなく様々な意見や提案なども職位を超えて活発に交わされるようになったということです。

Workers starts calling (to O’Neil), but they didn’t want to talk about accidents. They wanted to talk about all these other great ideas. (p117)

Keystone Habitとダイエット

ダイエット(weight loss)においてkeystone habitはとても効果があるそうです。食べたものを記録する「レコーディングダイエット」というダイエット法がいつだか流行りましたよね。体重を減らすために必要なことはカロリーコントロールと適切な運動です。

痩せなくちゃ!というと人間の心理としては

  1. 食べる量を減らし
  2. 食べるものを変えて
  3. ジムに入会して
  4. エスカレータは使わず階段を使い
  5. 電車はひと駅前で降りて歩き

…いろいろなことを始めたがります。ダイエットが長続きしないのは「たくさんのことを同時に始めようとする」からだそうです。

keystone habitをダイエットに応用する

まず「週に1回、その日食べたものを記録する」ことに取り組みます。最初のうちは記録を忘れたり、食べたものを忘れたりするかもしれません。めげたり自分を責めたりせずに続けるとそのうち記録をつけることが習慣となります。

「週に1回食べたものを記録する」がkeystone habitになったら次の変化が訪れます。毎日記録したくなったり、自分の食の傾向を気にしたりと一歩進んだ行動が自然にできるようになるそうです。

さらに寝る前には食べないとか朝食には野菜を必ずとるといった、より健康的な食生活に目を向けるようになります。一度にすべて頑張ろうとしなくてもkeystone habitが固まれば、残りの行動は後から自然とついてくるということですね。

つづく。