MADE to STICK – 3 “It’s the economy, stupid.”

Chapter 1: SIMPLE

– If You Say Three Things, You Don’t Say Anything

Stickするための「SCCESSs (p18)」。ひとつめの「S」は「Simple」です。

興味を引いた「If You Say Three Things, You Don’t Say Anything (p33)」のところ。

It’s the economy, stupid. (p33)

 

1992年ビル・クリントンが大統領選挙キャンペーン中によく使った言葉です。「stupid」が付いたことによってメッセージの焦点「economy」が強く印象付けられます。対抗するブッシュ(当時の大統領)があまり経済分野を重視していなかったためクリントン陣営は「economy」を強調することで現政権との違いを明確にし、大統領選挙に勝利を収めました。

クリントン自身はキャンペーンで訴えたいことは他にもいろいろとあったようですが参謀ジェームズ・カービルから「それでは焦点がぼやける。一つに絞るべき」とのアドバイスを受けました。たくさんのことを言われても結局何が重要なのかわからない、印象に残らないという経験は誰にでもあると思います。

自分が一番言いたいことは何なのか。それを煮詰めてできるだけ短い言葉にまとめる。人にメッセージを伝えるうえでまず最初に取り組むべきこととして心に留めておきます。

その後「It’s ○○, stupid」はアメリカで決まり文句のように使われているそうです。「the economy」の部分を他の言葉に変えたものがざっと検索しただけでもいくつもヒットします。どこかで似たような言葉を見かけたら「元はクリントンのあれなのね」と思い出してくださいね。

つづく。

 

 

 

MADE to STICK – 2 Stickするための6つの法則

さっそくIntroductionの「WHAT STICKS?」を読んでみましょう。

Introductionは7つの項目で構成されているのですが、ぱっと目に留まったのは「Tappers and Listeners」のところ。(p19)

「Tappers(リズムを取る人)」と「Listeners(リズムを聴き何の曲か当てる人)」の二つのグループを作ります。Tappersにはみんなが知っている曲(たとえばHappy Birthday to Youやアメリカ国家など)のタイトルを見せて、手拍子などでその曲を演奏してもらいます。Listenersはその曲名を当てるのです。

実験してみると正解だったのは120曲中たったの3曲。やってみるとわかるのですがListnersにとっては「Happy Birthday to You」と「アメリカ国家」は同じテンポとリズムなんですね。

要するにListnersにはTappersの頭の中の曲がわからない。だからそれを想像することはとても難しいのです。思いを伝えるためには工夫 = STICKが必要なのです。

このTappersとListnersのようなことは日常あたりまえに起きます。
一方は「当然わかってくれるだろう」と思っているのに相手は「何のこと?」という関係。ここはなるほどーと納得してしまいました。例えば次のような。

取締役 – 現場
教師 – 生徒
政治家 – 有権者
市場 – 顧客
著者 – 読者

ここでは出てこないけれど夫婦間、親子間、友人なども「わかってくれてるはず」なのにいまひとつ伝わってないかもしれない関係とも言えそうです。それで思い出したのが [Getting to YES] で説明があったミスコミュニケーションのこと。少し振り返ってみたいと思いました。

そしてこのギャップを埋めるための「The Six Principles」が本文で展開されます。「The Six Principles」はそれぞれ章のタイトルになっているんですよ。(目次をもう一度ご覧ください)続きが楽しみです。

つづく。

MADE to STICK [アイディアのちから] – 1 プロローグ

MADE to STICK
– Why Some Ideas Survive and Other Die –

著者

Chip Heath & Dan Heath

概要

今回この本を取り上げる理由は正直に書くと「ジャケ買い」したからです。Kindle本の表紙はもう少し黄色い色でそのイメージでいたらペーパーバックはオレンジ!真ん中のガムテープが何を意味しているのか??? 読むのが楽しみです。
邦訳では「アイディアのちから」というタイトルで出版されています。表紙が原書と全然違うのでこれならジャケ買いはなかったかも・・という気もしますが。

この本から知りたいこと

  • STICKとは何か
  • 自分に「STICK」できた経験はあるか
  • STICKすると良い点は?
  • STICKしないと困るのか?
  • 誰のためのもの?

表紙に書かれている文言から「アイディアの良し悪し」に関する本だということが想像できます。最初に挙げた「知りたいこと」自体何となく頓珍漢なことのような気もしますが気にせずに先に進みましょう。

では目次です。

WHAT STICKS? ← Introduction
SIMPLE
UNEXPECTED
CONCRETE
CREDIBLE
EMOTIONAL
STORIES
WHAT STICKS ← Epilogue
STICKY ADVICE

 

「知りたいこと」の最初に挙げた「STICKとは何か」が最初と終わりの方に2度も出てきますね。期待が高まってきました!

それからこの本は目次のところにそれぞれの章の要約が書かれていて、大雑把に内容をつかむのにとても助かります。これはもしかして「STICK」を最大限に発揮した構成なのかしら?

つづく。