THE POWER OF HABIT-7 【番外編】読みやすいフォントのこと

今回はちょっと脱線。

やっぱりフォントは重要です

だいたい2/3ほど読んだところです。前にも書いたような気がしますがこの本読みやすいのです。英語が簡単なのか内容が面白いのかフォントが目に優しいのか…

いろいろと読みやすい理由を考えながらここまで進んできてますが、今日ぱらぱらと本を眺めていたら読みやすさの秘密を発見しました。本の一番最後、付録も索引も著者情報も通り過ぎた本当に最後に「ABOUT THE TYPE」というページがあるのでそのまま引用します。

This book was set in Scala, a typeface designed by Martin Majoor in 1991. It was originally designed for a music  company in the Netherlands and then was published by the international type house FSI FontShop. Its destinctive extended serifs add to the articulation of the letterforms to make it a very readable typeface.

Scalaというフォントが使われているんですね。Scalaはセリフ系の有料フォントでデスクトップ版、web版(サーバー用)ともに65ドル。いくつかスタイルバリエーションがあり、この本で使用されているのは基本のスタイルで下の画像の濃いブルーのところの文字だと思います。

220px-FFScalaSpecimenAIB.svg

※画像はWikipediaより

フォントの読みやすさによって読書中の効率や印象がこんなにも違うのかと改めて思いました。このブログもブラウザによって全然違うフォントになってしまうのでどのブラウザでOKとするのかは難しい問題です。

ブログを書き始めたころはブラウザによって意図したデザインが表現できないことに頭を抱えたものですが私はFirefoxを愛用しているのでFirefoxで自分が納得すればOKと割り切ることにしました。

Scalaの関連リンクを貼っておきますね。

Wikipedia(英語)

Myfonts(フォント販売サイト、英語)

つづく。

THE POWER OF HABIT-6 組織にはびこる悪習慣をなんとかしたい

悪習慣が引き起こす問題

Chapter6には「組織内の悪い習慣」が引き起こした問題、悲劇といってもいいような実話が出てきます。

ニュースで「○○は暗黙の了解だった」「○○するのが慣例となっていた」ことが事故や事件の原因である話はよく耳にします。「○○してしまうのは会社の体質」というコメントはまさに社内に「悪習慣」といえる業務の進め方があったことを指しています。データ改ざん、不正会計といった不祥事も悪習慣に基づいた行為の結果と言えますね。

組織全体がうまく機能するために、部門や作業グループ内のメンバーに対して一定の権限を与え、他部門や他メンバーにその権限を侵害させないような体制を取っていることがよくあります。仕事に対するモチベーションを高め、効率良く作業を進めるためにはそれぞれに権限を与えることが必須だからです。

ところが危機が訪れた場合には「他の権限を侵害させない」ことが仇となります。他メンバーや他部門、第三者からのチェックや制止機能が働かずに危機を大きくしてしまうという恐れがあります。

  • 順調な時 → 決められた権限の範囲で仕事を進めることが最も効率的
  • 危機が発生した時 → 他者からのチェックやサポートは権限を越えた行為にあたるため発覚が遅れたり発覚しても制止することが困難

How can an organization implement habits that balance authority and, at the same time, choose a person or goal that rises above everyone? (p175)

危機から学べることは多く、状況を適切に改善できる組織だけが生き残れるのです。

悪習慣を改善するには

社員が「このやり方は良くない」と思っていたとしてもそれが上司の命令や社内の慣例だったらなかなか正すことは難しいです。組織の悪い習慣を改めることができるかどうかはどうしてもトップの考え方や手腕にかかってきます。

優れたトップは問題が発生したり、発生しそうなときにいち早く気づき改善策を打ち出します。できれば問題に直面したくはないですが、問題に直面した(しそうな)時ほど現状をより良くするチャンスなのです。

You never want a serious crisis to go to waste. (p180)

「トップの考え方や手腕にかかる」といってしまうと身も蓋もない感じがします。自分はトップやリーダーじゃないからどうにもならないと思ってしまうかもしれません。

でも、組織の目指すところは皆が共通に認識しているはずです。その目標に到達するうえで必要なこと、不要なこと、改善すべきことを権限の範囲内で訴えることは可能なんじゃないかと思います。

…というのは理想論かもしれないですね。組織や立場によりますね。意見を受け入れてもらえる、改善策を提案する権限が持てるような組織で働きたいです。

つづく。

THE POWER OF HABIT-5 権限とモチベーションの関係

2016年明けました。明けてからは暖かい日が続き連日お散歩日和!とはいうものの犬のヘルニアの回復が思ったほどではなく、陽だまりでのんびりと静養(いつもの昼寝)している姿を見ながらまったり過ごしています。

下の写真は今部屋に飾っているお正月用アレンジ。私の2015年のテーマカラーが青味がかったピンクだったのでお花も同じ色を選びました。梅がだんだん開いてきて前を通るたび瑞々しい香りにはっとします。

IMG_2153

さて、新年最初はPower of Habitの続きです。

willpowerとself-discipline

  • willpower : 意思の力
  • self-discipline : 自主性

新しい習慣を身に付けようとするとき、あるいは悪習慣を断ち切りたいときに必要なのは先に挙げたwillpowerとself-disciplineです。「意志の力」ってそのまんまやん!と突っ込みたくなる単語ですね。

意志力を高めるためにはどうしたら? 自主性を高めるためには?

スターバックスの従業員教育システムは、従業員の意志力・自習性を高める(そしてそれは顧客満足度を高めて企業の利益となる)ことを重視してプログラムが組まれているそうです。

サービス系の企業では顧客の要望や不満への対応の仕方はマニュアル化されている企業も多いと思います。はじめてサービス業で働くときに、天性のコミュニケーション力を持っている人はいいのですがそうでない人には戸惑うことがたくさん。

学生の時ミスタードーナツでアルバイトをしてました。採用が決まると相当な厚さのマニュアル(接客の基本・レジの扱い方・掃除の仕方などなど)を渡され初出勤日までに読み込んでくるようにと指示されました。

それなりに頑張って読んではみたもののやっぱり現場に立たないとピンとこないし、ドーナツひとつひとつの値段を覚えるまでには(そしてレジのキー位置を覚えるまでには)何日もかかってしまいました。

顧客対応をトレーニングするときは「行動を習慣化する」という考え方を使うと効率的です。(p145) 例えば顧客が怒っていたらその理由を聞き、問題点を解消し、感謝するという一連の行動を繰り返しトレーニングします。

顧客が急いでいたら(注文の口調や時計を見るしぐさなどから推測する)いつも以上に早くドリンクを渡すことができるれば顧客の満足度は上がります。常連客なら「いつもの○○ですね」と言葉を添えるだけで心象はずいぶん変わりますよね。

they practice those plans, again and again, until they become automatic.

This is how willpoer becomes a habit : by choosing a certain behavior ahead of time, and then following that routine when an inflection point arrives. (p146)

ここでwillpowerが出てきました。ああしたいこうしたいこうすべきと考えていることは繰り返し行動するうちに習慣にすることができます。

権限と自主性と生産性

人は自分の立場に対して何らかの権限を与えられると自主性(self-discipline)を発揮するようになります。ある工場で生産ラインの従業員に生産スケジュールの決定と作業環境の改善に対する権限を与えたところ、2か月後には生産性が20%向上し、作業中のミスも目に見えて減少したそうです。

Giving employees a sense of control improved how much self-discipline they brought to their jobs. (p151)

逆に上からの指示通りの作業しか認められなければwillpowerを持続することは難しくなります。

If they feel like they have no autonomy, if they’re just following orders, their willpower muscles get tired much faster. (p151)

企業や組織においてはメンバー個人個人のwillpowerやself-disciplineの度合いが組織のパフォーマンスに直結します。メンバーのwillpowerやself-disciplineを高いレベルでキープするための手段としてメンバーに一定の権限を与えることは非常に効果的なのだそうです。

「やらされている仕事」と「自分たちで考えてする仕事」のどちらが高いモチベーションをキープできるか、違いは明らかですよね。

つづく。

THE POWER OF HABIT-4 たくさんの習慣を変えたいときはkeystone habitから始めよう

今日は「組織におけるhabitとhabit change」について見ていきます。

従業員の「安全第一」を徹底すると組織の風通しが良くなる

この言葉、聞いただけでは意味がわかりません。風が吹けば桶屋が儲かる的な感じです。the Aluminum Company of America (Alcoa、アルコア、日本にも拠点があります)の新しいトップ(Paul O’neil氏)が就任挨拶で「事故を0にする」という目標をトッププライオリティとして掲げます。「事故を0にする」ことの狙いは何でしょう。

I knew I had to transform Alcoa. But you can’t order people to change. That’s not how the brain works. So I decided I was going start by focusing on one thing. (p100)

keystone habit

habit changeにおいて「focusing on one thing」はとても重要です。最優先で取り組むべき行動を選択し、まずその行動を習慣となるよう努力します。

最優先に取り組んだ行動のことを「keystone habit」と呼びます。keystone habitが確実に機能するようになると、続く第2、第3の取り組むべき課題に対して自然と行動できるようになるんですって。

「事故を0にする」ためのhabit loop(p106)

  • cue : 作業中の事故が発生する
  • routine : 事故が発生したら部門のトップは24時間以内に事故の報告とともに改善・予防策をCEOへ報告する
  • reward : この報告システムを忠実に遂行する者には昇進の機会が与えられる

大企業の部門トップ(部長とか事業部長のイメージ)は忙しい(大企業でなくてもみな忙しいでしょう)ので部門内のコミュニケーションがスムーズでないととてもじゃないけど24時間以内に報告するなんて無理です。

システムが軌道に乗り出す(業務改善)につれて社内全体の風通しが良くなりました。事故の報告だけでなく様々な意見や提案なども職位を超えて活発に交わされるようになったということです。

Workers starts calling (to O’Neil), but they didn’t want to talk about accidents. They wanted to talk about all these other great ideas. (p117)

Keystone Habitとダイエット

ダイエット(weight loss)においてkeystone habitはとても効果があるそうです。食べたものを記録する「レコーディングダイエット」というダイエット法がいつだか流行りましたよね。体重を減らすために必要なことはカロリーコントロールと適切な運動です。

痩せなくちゃ!というと人間の心理としては

  1. 食べる量を減らし
  2. 食べるものを変えて
  3. ジムに入会して
  4. エスカレータは使わず階段を使い
  5. 電車はひと駅前で降りて歩き

…いろいろなことを始めたがります。ダイエットが長続きしないのは「たくさんのことを同時に始めようとする」からだそうです。

keystone habitをダイエットに応用する

まず「週に1回、その日食べたものを記録する」ことに取り組みます。最初のうちは記録を忘れたり、食べたものを忘れたりするかもしれません。めげたり自分を責めたりせずに続けるとそのうち記録をつけることが習慣となります。

「週に1回食べたものを記録する」がkeystone habitになったら次の変化が訪れます。毎日記録したくなったり、自分の食の傾向を気にしたりと一歩進んだ行動が自然にできるようになるそうです。

さらに寝る前には食べないとか朝食には野菜を必ずとるといった、より健康的な食生活に目を向けるようになります。一度にすべて頑張ろうとしなくてもkeystone habitが固まれば、残りの行動は後から自然とついてくるということですね。

つづく。

THE POWER OF HABIT-3 身についてしまった習慣を変える方法

一度身についてしまった習慣を変えるには何をしたらいいのか

NFLのTampa Bay Baccanees(タンパベイバッカニアーズ)、1996年頃の話ですが負け負け負けの弱小チームでこの16年間勝ったことがない。そんなチームに新しいコーチが就任しました。

彼のポリシーは「選手たちにはアメフトの基本の動作を忠実に実行してもらう。相手チームよりも素早いアクションができるように、頭で考えるのではなく状況に応じて自然と体が反応できるようになるまでトレーニングを続ける。」というものでした。

アメフトの動きをHabit Loopに当てはめると

  • cue:相手がパスをしようとしたり、マークしている選手が動き出そうとしているの認識すること
  • Routine:cueに対応するための動作(パスをもらいに動く、相手を止めようと動く、等)
  • Reward:パスを受け取る、相手のオフェンスを止める、タッチダウン等

が考えられます。

How it works : use same cue. Provide the same reward. change the routine. (p63)

勝てないバッカニアーズが強くなるためには今までと何かを変えなければなりません。コーチはcueとrewardは変えずに間のroutineを変えるよう選手たちに指示します。

to change a habit, you must keep the old cue, and deliver the old reward, you can shift the routine and change the habit. Almost any behavior can be transformed if the cue and reward stay the same. (p62)

習慣を変えたいときは(止めたいときは)cueとrewardそのままでroutineの部分を他の行動に変更します。「そのroutineはcravingを満たしているか?」の質問にYesと答えられるならそのroutineは正解。身についてしまった習慣を変えることができます。と著者チャールズは断言します。

habit changeの実例

代替routineを探すときにはcravingが何なのか見極めることが重要になります。cravingが満たされないといつまでたっても悪習慣を止められないのですね。

仕事中の休憩と称してついついドリンクスペースに行きお金を使ってしまうのを減らしたいとします。ドリンクスペースで何をしたいのかを考えます。喉が渇いているならドリンクを飲むのは正当な行動ですね。でも息抜きに誰かと話がしたいのだったらドリンクスペースに行かなくても同僚の席まで出かけて行って二言三言話しかけるだけでもしかしたらそのcravingは満たされるのかもしれません。

私の止めたい習慣の一つ「ついついメールチェックをしてしまう」を考えてみます。メールで仕事の連絡が来るのでチェックを全くしないのは難しいですが問題はメールチェックのあと。だらだらと届いていたメルマガを読んだり、メルマガに引用されているサイトを見に行ったりとそれまでの作業を中断しさらに無駄な時間を過ごしてしまう状況です。

この場合Habit Loopはこんな感じです。

  • cue : メール着信の音が鳴る
  • routine : メールチェックのあとにだらだらとネットやメールをしてしまう
  • reward : 本来するべき作業の時間が圧迫される(これは悪い結果を招くreward)、本来の作業から離れることによるリフレッシュ(こちらは良いreward)

次にcravingを考えます。本当に集中すべき急ぎ作業をしていればメールチェックを終えればすぐに作業に戻るはずです。作業が一段落したタイミングだったり疲れを感じていたとすれば、メールチェックの後の無駄時間というのは気分転換(あるいは逃避)のつもりで無意識に行う行為かもしれません。だったら自分で明示的に「ここで休憩」と宣言して本当に休んでしまえばいいのです。コーヒーを飲むとか少し歩いてみるとか。

というわけでまとめると(まとめたら当たり前すぎました)

  • メールチェックをするタイミングをあらかじめ決めておく
  • 1時間集中したら10分休むというように休憩のタイミングをあらかじめ決めておく

とすると「メールをチェックしなければ」と「気分転換」の両方がうまくいきそうですね。

プレッシャーとhabit change

新しいコーチの元で訓練を重ねバッカニアーズはやがて「常勝チーム」と言えるほど強い集団に変わりました。ここで一つ問題が。プレッシャーのかかる場面になるとそれまでできていた「習慣になったはずの無意識の行動」ができなくなってしまうのです。選手たちは忘れたはずの、封印した「思考」に悩まされることになります。「思考」のち「行動」ではどうしても相手の動きに遅れてしまうのです。

habit changeにはもうひとつ欠かせない要素があります。それは「believe」です。「習慣は変えられる」「自分にはできる」という強い気持ちが必要です。そして強い気持ちを持つためには同じ目的を持つ人たちが集まるグループに属することが効果的だそうです。

バッカニアーズの選手たちはある悲劇がきっかけとなって「強いbelieve」を持てるようになりそれまで以上に「強いチーム」となりました。どんな事件が起きたかは本書を読んでいただくとして、本章のまとめは次のとおりです。

if we keep the same cue and the same reward, anew routine can be instead. But that’s not enough. For habit to stay changed, people must believe change is possible. And most often, that belief only emerges with the help of a group. (p92)

ところで正直私はフットボールには全然詳しくないのですが、バッカニアーズの緊迫したゲームで作戦がうまくいくかどうか、選手が予定通り動くことができるかを夢中になって読んでしまいました。

この本、今まで登場したどの本よりも読みやすくて面白くどんどん読み進んでしまいます。洋書に初めてトライしようか迷っている方にはかなりお勧めしたい一冊です。

つづく。