きっかけは「辻」だった。
画面には「辻」の文字が表示されているのに、印刷するとしんにょうの点がひとつの「辻」に変わっている。印刷した紙を眺めていると他にもひっそりと変わっている文字がちらほら。よくよく見ると、文字が置き換わる以外にも、画面とはレイアウトが微妙に違っている。文字間隔や、行間の広さなどが。
ある種のプリンタには、画面で指定したフォントで印刷するか、あるいはプリンタフォントに置き換えて印刷するかを選ぶ機能を持つものがある。ある種のプリンタとは、私の経験では、オフィス用のレーザープリンタである。自宅で使っている家庭用のインクジェットプリンタには、この機能はない。
WordやExcelなどのアプリでプリンタの設定を開き、選択したプリンタの「設定」もしくは「プロパティ」ボタンをクリックすると、そのプリンタに固有の細々した設定画面が表示される。そのなかにフォントに関する設定があれば、画面フォントとプリンタフォントのどちらを使用するかを選択できるはず。
例:FUJI XEROXのよくあるご質問
「2)・[フォントの設定…]ボタン」のところを見てね。
冒頭の「辻」の件は、それぞれのフォントが持っている字体が異なるときに発生する。たまたまプリンタが持っているフォントの「辻」が1点しんにょうだったということ。
フォントの置き換えは影響が大きい。文字そのものが置き換わるだけではない。フォントが変われば当然文字の間隔や行の前後の間隔、はたまたサイズまで、見た目があれやこれやと変わっていく。
先の例の、XEROXのプリンタには
- 常にプリンタフォントを使う
- 常にTrueTypeフォントを使う
- TrueTypeフォントをプリンタフォントで置き換える
の3つのオプションがある。それぞれ何らかのメリットがあるはずで、状況に応じてふさわしいものを選択すればよい。
ふだん使っているプリンタがどんな機能を持ち、どんな動きをするのかは知っていたほうがいい。一度「設定」の項目をひととおり眺めて、意味がわからないところはクリアにしておくと、何か起きたときの解決の手がかりとなるかもしれない。文字の置き換えも困るが、意図しないレイアウト崩れなど、できれば遭遇したくない事態である。